◆人を取り巻く環境を考える
心理学の中に【環境心理学】という分野があります。
人間の行動や心理と環境との相互作用を明らかにする学問分野です。人間と環境を一つのシステムと捉えます。
環境とその環境の中で生活している人同士は、相互に関与し、影響を及ぼし合うとする考え方で、「人間ー環境系」とも呼ばれています。
(※駿河台大学心理学部・小俣謙二教授)
環境心理学は、心理学の研究分野の中では比較的新しい分野で、1960年代の終わりごろにアメリカで誕生しました。
1960年代になると様々な国で、急速な近代化と産業化の影響により、人口は密集する都市環境において、低所得者層が集まるスラムの形成や、大気汚染などの公害問題、騒音など、様々な問題が表面化していました。
避難所で雑魚寝・命落とす被災者(2022/5/20 読売新聞)
それに伴い、都市環境の悪化が、そこに暮らす人々の心理や行動にどのような影響をもたらすのかに関心がもたれるようになりました。
都市空間を取り巻く、このような環境問題に対する心理学的なアプローチの一つとして、環境心理学という学問分野が成立してきたのです。環境心理学は非常に広い領域を扱います。
避難所で雑魚寝・命落とす被災者(2022/5/20 中日新聞)
ある場所や空間を人がどのように認知するかを研究する「環境認知」、他者との関係に応じて距離をどのように調整するのかなどを研究する「社会的距離」、「居住空間や都市環境の密集や騒音問題」などがあります。
他にも、犯罪が起こりやすい環境を分析することで防犯に役立つことができる「環境心理学」や、災害時などのストレスの影響や、回復に影響する「回復環境」など多岐にわたっています。(転載終了)
(参考書籍)別冊ニュートン「ゼロからわかる心理学」
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